発刊にあたって “子どもとご家族の手に届く医療を目指して”

「子どもって、そんなに病気があるの?」「病気になっても、すぐに治って元気になる」。
それが、子どもの病気への一般的なイメージかもしれません。

しかし、子どもにも数え切れないほどたくさんの、複雑な病気があります。
根本的に治すことのできない病気や、とてもまれな、国内で数人しかいない病気もあります。

「こんな病気になってしまったのは、自分だけではないか」と、不安な気持ちをお持ちの方もいることでしょう。当センターには、そうした病気を持つ子どもたちが、毎日たくさん受診しています。

当センターの開設から20年が経ち、この間に、医療の技術は見違えるほど進歩しました。
当センターでは、その先端医療を担う各分野のスペシャリストたちが、日々、診療にあたっています。
また同時に、私たちの伝統である「子どもと家族を支える療養環境」を提供するため、多くのスタッフが皆さんに寄り添っています。

どんな病気をお持ちでも、子どもは子どもとしての健康な部分を持ち、周りの人とともに生活し、成長していきます。本書は、そんな子どもたちを支える当センターの取り組みを皆さんにお伝えしようと、スタッフ一同が総力をあげて作成しました。

医療関係の方、子どもをお持ちの方、子どもにかかわるすべての方に、本書をお届けいたします。

あいち小児保健医療総合センター
センター長 伊藤浩明

2022年8月