臨床検査室では、体の中の情報を、さまざまな方法を使って取り出しています。
1.生理検査
心臓、肺、脳、神経がどんな状態かを調べる検査です(写真1)。
●心電図検査
胸に吸盤・シールなどを貼って、心臓の電気信号を見ています。
●肺機能検査
大きく息を吸ったり吐いたりして、肺の大きさなどを調べます。
●脳・神経を調べる検査(脳波・筋電図)
電極を付けて、体に流れる電気の様子を見ています。
2.生化学検査
血液や尿中に含まれているさまざまな成分を、生化学的・免疫学的な手法を用いて測定します。生化学、感染症、ホルモン、薬物、アレルギー検査などがあります。これらは、病気の診断、治療の判定、経過観察に役立っています。
3.血液検査
以下のような検査があります。
●血球検査
酸素を運ぶ赤血球、細菌やウイルスなどの異物を排除する白血球、出血を止める血小板などの量、働き度や形態を調べます。
●凝固検査
出血を止めた血小板が流れないように、ネット(網)の働きをする凝固因子の量や質を調べます。
4.一般検査
一般検査では、尿や髄液(ずいえき)、胸水などの検体を扱います。糖やタンパク質などの成分だけでなく、細胞、細菌、結晶なども検査しています。また、髄液検査は緊急性が高いため、少しでも早く結果が報告できるよう取り組んでいます。
5. 微生物検査
患者さんから採取した血液・尿・痰(たん)・膿(うみ)・便などあらゆる検体から、感染症の原因となる細菌を見つけ出し、効果のある薬を調べます。また、PCR検査機器を用いて、ウイルスなどの遺伝子を増幅して検出することができます(写真2)。
6.輸血検査
治療や手術などで輸血を必要とする患者さんの血液型検査などをしています。輸血する血液に含まれる血球を壊してしまうような抗体がないか調べて、適切な血液を準備することで、安全に輸血が行われるよう管理しています。
7.病理検査
病理検査では、手術で取った臓器や、内視鏡により採取した組織を扱います。採取した組織を顕微鏡で観察できるようにして、病理医が観察することにより、病気の診断や治療効果の判定をします。
また、手術中に採取した組織を短時間で診断し、手術の方針を決定する術中迅速病理診断(じゅつちゅうじんそくびょうりしんだん)も行っています。