小児のけいれん「子どものけいれんについて教えて!」

神経内科

糸見 和也/神経内科医長 診療支援部長

この記事の内容

けいれんとはなんですか?

けいれんは自分の意思とは関係なく、勝手に筋肉が動いてしまう症状です。一般的には、脳の異常を原因として起こるものを指すことが多いと思います。ここでは、脳が原因の「けいれん」についてお話しします。

けいれんの原因はなんですか?

脳がけいれんを起こす原因はさまざまです。

子どものけいれんで一番多いのは、「熱性けいれん」で、これは、主に生後6か月から5歳頃までに、発熱に伴って起こるけいれんです。日本人では、およそ7%のお子さんに認められ、もっとも発症する頻度の高いけいれんです。一部のお子さんは、後に「てんかん」を発症しますが、多くのお子さんは、大きくなるとけいれんを自然に起こさなくなります。

次に多いのは「てんかん」です。子ども全体の1%弱程度の頻度で発症します。また、ウイルス性胃腸炎に罹かかったときに、けいれんを繰り返すお子さんもいます。

その他、多くの原因でけいれんは起こりますので、どういう原因で起きるのかの鑑別は大切です。

熱性けいれん、胃腸炎に関連するけいれん、てんかん、髄膜炎・急性脳炎/脳症、脳血管障害(出血・梗塞など)、低血糖や電解質の異常、高血圧、脳外傷、心原性(心臓病が原因)、憤怒けいれん(泣き入りひきつけ)など
表1 主なけいれんの原因

子どもが熱性けいれんを起こしました。心配です。

前述のように、熱性けいれんは、乳幼児期に発熱に伴って起こるけいれんです。大部分のお子さんは、1、2回程度のけいれんのみで治まります。また、「てんかん」に移行することを心配するご家族は多いのですが、その確率は熱性けいれんを起こしたお子さんのうち、およそ2〜7%程度と、決して高くありません。なお、熱性けいれんを繰り返し起こす場合は、発熱時にあらかじめ抗けいれん薬を使用して、けいれんを予防する治療を行うこともあります。

過剰な心配をせずに、まずは、かかりつけ医に相談してみて、少しでも不安を取り除くことをおすすめしたいです。

ウイルス性胃腸炎のときにけいれんを繰り返してしまったのですが……

急性脳炎・脳症でないことを検査で調べないといけないこともありますが、熱性けいれんと同様、乳幼児期のお子さんにみられる、一時的なけいれんの可能性も高いと思います。「胃腸炎関連けいれん」といわれるもので、ノロウイルスやロタウイルスといったウイルスによる胃腸炎に罹ったときによくみられます。

胃腸炎が軽快したころには、けいれんも認めなくなります。時に、同じようにウイルス性胃腸炎に罹ったときに再度けいれんを認めることもありますが、自然に終息していく経過良好のけいれんです。

子どもがてんかんの診断を受けました。治りますか?

てんかんの種類や原因はさまざまですので、皆さんが同じではありません。

構造的な原因・脳血管障害・脳腫瘍(のうしゅよう)・外傷・脳炎後・脳の形成異常 など、素因性・てんかんに関連する遺伝子異常、代謝性・尿毒症、葉酸欠乏 など、免疫性・自己免疫の異常から起こる脳炎 など、その他
表2 主なてんかんの原因

けいれんの症状の特徴や脳波検査の結果(写真)などを参考にして、どのようなタイプなのかを判断し、治療薬を決めていきます。

てんかんの脳波検査
写真 てんかんの脳波検査

一般に小児のてんかんは、およそ7割のお子さんが治療薬でコントロールでき、またおよそ5割のお子さんは、治療を終了できるといわれています。日常生活に大きな問題が出てきてしまうようなお子さんの場合のほうが少ないです。

「どういうタイプのてんかんであるのか」について、担当の医師にきき、治療方針や注意点を確認しておくとよいと思います。

診療科紹介

当科で扱う主な疾患

熱性けいれん・てんかんなどのけいれん性疾患、各種原因による精神運動発達の遅れ、脳性麻痺、その他、脳・脊髄・末梢神経・筋肉等の内科的な疾患

当科の特色

  •  一口に子どもの神経内科といっても、病気の種類は多く、大病院でも、すべての病気を得意として診療を行っているとは限りません。当センターでは、てんかん、筋肉や末梢神経の病気、急性脳炎などの集中治療の必要な病気、脳性麻痺等の脳神経に障害のある病気など、急性の病気から慢性の病気まで、幅広く高いレベルの医療を提供できるように努力しています。
  • 多くの医療機関とも連携し、お子さん一人ひとりの実生活にできる限り合った医療を提供したいと考えています。
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