未来があるから今のかかわりがある「成長・発達期のリハビリテーション」

リハビリテーション科

竹内 知陽/リハビリテーション科 専門員

リハビリテーション科では、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)が、お子さんの持つ生活上の課題の軽減・解消をめざした支援を行っています。すべての療法士がそれぞれの専門性を発揮し、他部門と協働で取り組むことを重視しています。

この記事の内容

1.発達リハビリ

脳炎・脳症などの疾患により発達支援が必要になったお子さんに対して、姿勢、運動、手先の操作、感覚-認知、コミュニケーションの向上などをめざしたリハビリテーション(以下、リハビリ)を実施しています。お子さんの発達段階や特性に合わせて、自発的に取り組めるよう遊びや活動を工夫しています(写真1)。

発達リハビリの様子
写真1 発達リハビリの様子

また、お子さんを取り巻く環境(家庭、地域)への支援も行っています。

2.運動器リハビリ

股関節(こかんせつ)疾患(先天性股関節脱臼(せんてんせいこかんせつだっきゅう)、ペルテス病、骨頭辷(こっとうすべ)り症(しょう)など)の術後、低身長・脚長不等(きゃくちょうふとう)に対する脚延長術(きゃくえんちょうじゅつ)や成長軟骨抑制術(せいちょうなんこつよくせいじゅつ)後の後療法(損傷した組織や機能を回復させる治療)を行っています。

3.摂食嚥下(せっしょくえんげ)リハビリ

離乳食が進まない、よく噛(か)まない、丸飲みする、偏食などの問題について、STとPTが支援をしています。食べている様子から口腔(こうくう)機能の発達状況を観察し、食形態や食環境(机や椅子の設定、姿勢、介助方法)を提案します。発達段階に適した食具の選定や改良はOTが担当します。食事中、喉(のど)がゴロゴロいうなど誤嚥(ごえん)の可能性がある場合は、嚥下造影検査を行い、安全に食事ができる方法を探ります。

4.心臓リハビリ

心臓の病気のお子さんに対し、筋力や6分間歩行などの評価をし、日常生活に取り入れる具体的な運動や呼吸法についてお話しします。

5.地域支援活動

地域の保育所、小中学校、療育施設、運動施設などを訪問し、リハビリ相談や勉強会、運動指導をしています。手先が不器用、姿勢が崩れる、集団活動に乗れない、運動が長続きしない等の相談を受けています。そこでかかわっている職員と子どもの生活場面に合った支援方法を話し合っています(写真2)。

写真2 ケース会議に参加する地域支援担当OT

6.その他の活動

脊髄髄膜瘤(せきずいずいまくりゅう)や脊髄性筋萎縮症(せきずいせいきんいしゅくしょう)、筋ジストロフィー症などの評価と治療、痙性麻痺(けいせいまひ)に対するボトックス治療や髄腔内(ずいくうない)バクロフェン投与療法前後のリハビリを行っています。

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