病院内の感染を制御するために「病院内のすべての人を感染から守りたい」

感染管理室

伊藤 健太/総合診療科医長 感染管理室長補佐

感染制御チーム(ICT)は、患者さんやご家族、職員など、病院内のすべての人を感染から守るために活動しています。

メンバーの医師、看護師、臨床検査技師、薬剤師、事務職員が協力しながら、病院内で問題となる感染を早期に発見し、感染拡大しないよう対策をしています。また、特定抗菌薬の適正な使用につなげる活動も行っています。

この記事の内容

1.感染を防ぐための方法は?

ICTの活動を通して、感染を防ぐ方法を当センターにかかわるすべての方(患者さん・そのご家族・職員・出入り業者等)に示しています。その活動の一部をご紹介します。

週1回、木曜日の午後にセンター内のラウンド(見回り)を行い、医療環境や患者さんの周囲の清掃状況、バックヤードの整理整頓(清潔な管理)、医療廃棄物の分別廃棄方法、職員の手の衛生(手の消毒・手洗い等)をチェックし、フィードバックしています。

特に手の衛生については、目標値を定めて(現在の遵守率目標値は86%)月1回直接観察を行い、全職員で目標達成に向けて頑張っています。その結果は、毎月発行している「ICTニュース」で職員と情報共有しています。

週1回行われているカンファレンスでは、感染対策の適切さについて確認を行い、改善が必要なことについては、該当部署の担当者にアドバイスしています。

またこのカンファレンスでは、検査技師や薬剤師から院内の耐性菌の検出状況や特定の抗菌薬の使用状況が報告されます。この報告をもとに耐性菌対策や適切な抗菌薬の使用について各部署・各科の現状を確認します。その後、各科医師や各部署の看護師からコンサルテーション(相談)を受け、指導も行っています。

カンファレンスの様子
写真1 カンファレンスの様子

新型コロナウイルス感染症、インフルエンザ等の流行状況に合わせて、患者さんや職員向けに情報提供をするとともに、センター全体の対策について教育をしています。また職員に対して、さまざまな感染対策の勉強会を年に2回程度開催しています(標準予防策・感染経路別対策・職員のワクチン接種の必要性・抗菌薬の適正使用等)。

さらに、周辺地域の病院や愛知県関連病院、西日本や全国の小児専門病院の感染管理室と連携し、最新の情報を共有することで、当センターの感染対策が適切であるように努めています。

職員のワクチン接種
写真2 職員のワクチン接種
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