また遊びに行きたくなる病院——子どもにやさしい環境づくりを「保育士・HPSの役割」

チャイルドライフ担当

棚瀬 佳見/保育士・HPS

当センターの保育士、ホスピタル・プレイ・スペシャリスト(HPS)は、チーム医療の一員として、療養環境の専門家として、主体的で専門的な活動展開をしています。初代センター長からの「また、遊びに行きたい病院に」の理念を引き継ぎ、子どもたちのワクワク感で笑顔あふれる環境づくりをめざしています。

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外来の遊び支援をしています

「光が燦さん燦さんと降り注ぐアトリウムには可愛い三角屋根のお家が並び、3階まで突き抜ける壁には病棟の可愛い小窓が覗のぞいています。診察室へ繋つながる壁には、隣接する雑木林から風に吹かれて飛んで来た『どんぐりくん』と『マロンちゃん』が病院中を探検する絵が描かれています」
(『小児看護』2020年2月号、第43巻第2号、へるす出版)

一瞬、病院であることを忘れてしまうような環境が、不安や恐怖で胸が張り裂けんばかりの子どもたちの気持ちを受け止め、ドキドキした緊張感からワクワクする期待感に変わる瞬間であってほしいと願っています(写真1~3)。

アトリウム(当センターの開放的なエントランス)
写真1 アトリウム(当センターの開放的なエントランス)
折り紙コーナー
季節感のあるものやキャラクターなどを一緒に折りましょう
写真2 折り紙コーナー
季節感のあるものやキャラクターなどを一緒に折りましょう
うみの家
B1の広いスペースにある、すべって遊んで、ごっこ遊びもできるうみの家です
写真3 うみの家
B1の広いスペースにある、すべって遊んで、ごっこ遊びもできるうみの家です

外来保育士とHPS両者の専門性を発揮しながら、さまざまな遊びの工夫や支援をしています。

病棟の遊び支援をしています

私たちHPSを併せ持つ保育士は、日常の楽しい遊びの提供から、「遊び」を通して子どもたちに検査や手術の流れを知ってもらったり、遊びで苦痛から気を紛らわせたりする支援をしています。入院しても、子どもたちが「好きな遊び」をしたり、「遊びが選べる」ようにしています(写真4)。

病棟外プレイルーム
「わくわくるーむ」ここが病院?と思うほど木のおもちゃがいっぱいで、遊び心が満載です!!
写真4 病棟外プレイルーム
「わくわくるーむ」ここが病院?と思うほど木のおもちゃがいっぱいで、遊び心が満載です!!

また遊びを提供することで、子どもの内なる力を引き出すことを応援しています。そして、不安や怖いイメージをもつ手術や検査に対しても、「遊び」を使って子どもたちが知りたいことを説明しています。

私たちHPSを併せ持つ保育士は、どんなときも子どもたちに寄り添い、一番の理解者であり、代弁者であり、応援者です。さぁ、病院で一緒に遊びましょう!

当センターの保育士・HPSをご紹介します

私たちは、外来・病棟併せて、9人の保育士・HPSで助け合いながら、外来・病棟支援活動を実践しています。

外来では、保育士(1人)とHPS(1人)が協力して、さまざまな活動をしています。また、外来の設置図書や病棟の移動図書を、保育士1人で奮闘しています。そしてHPSを併せもつ保育士(1人)が、PICU(小児集中治療室)・NICU(新生児集中治療室)を兼務しながら、より良い環境づくりのため、試行錯誤しながら活動しています。

さらに病棟では、各病棟に1人のHPSを併せもつ保育士を配属し、医師・看護師らと連携しながら、子どもと医療者をつなぐ役割や遊び支援をしています。

私たちは、子どもたちと遊ぶのを楽しみにしています!

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