2016年11月、周産期部門の1つとして、NICU(新生児集中治療室)がオープンしました。当センターNICUでは、主に心疾患や小児外科疾患、脳神経外科疾患などの病気を抱えた赤ちゃんが入院し、24時間体制で集中治療と看護を行っています。
1.NICUについて教えて
早産児が多い他施設のNICUとは異なり、病気に対する手術や集中治療が必要な赤ちゃんが入院しています。
生まれたばかりの赤ちゃんは、母体外環境へ適応する時期といわれており、特別な配慮が必要です。そのため、医師や看護師、理学療法士、臨床心理士、保健師、MSW(医療ソーシャルワーカー)、保育士など、さまざまな職種がチームとして連携し、赤ちゃんとご家族に適したきめ細やかな、より良い医療・ケアが提供できるよう努めています。
2.NICUの取り組み
赤ちゃんの誕生は「家族の始まり」です。赤ちゃんとご家族がより良い関係を築けるよう支援しています。そのため、赤ちゃんとご両親だけでなく、きょうだいへのサポートも行っています。
また、20病棟(産科)と連携して出生前から支援を行ったり、保健部門などとも早期から連携し、将来を見据えた看護が提供できるように取り組んでいます。そして、赤ちゃんにとっての最善とは何かを、ご家族と一緒に考えています。
3.NICU看護で大切にしていること
NICUが単に治療する場ではなく、赤ちゃんが育つ場所であることを大切にしています。そのため、ベッドの周りには医療機器がたくさんありますが、できるだけ赤ちゃんに適した環境になるように、騒音とならないよう音は最小限にし、サーカディアンリズム(*)に配慮して、昼夜を区別した照度調整を行っています。
* サーカディアンリズム 概日(がいじつ)リズム。ほとんどの生物がもっている、睡眠と覚醒、体温変化、ホルモン分泌などの、おおよそ1日のリズム
また、赤ちゃんのサインを読み取り、ストレスが最小限になるようなケアを心がけ、赤ちゃんの心と体を育むケアを大切にしています(写真1)。