耳鼻いんこう科と連携して――「言語聴覚士って、何をしているの?」

言語聴覚科

浅見 勝巳/言語聴覚科長

言語聴覚科では、難聴をできるだけ早く発見するとともに、お子さんやそのご家族に対して、できる限り早くサポートがスタートできるよう取り組んでいます。

当センターでは、言語聴覚士が耳鼻いんこう科医師と連携して、お子さんの耳の検査や補聴器・人工内耳の調整、きこえとことばのトレーニングなどを行っています。

この記事の内容

1.生まれてすぐの赤ちゃんでも耳の検査ができるの?

赤ちゃんでも検査ができます。

現在は、生後すぐに新生児聴覚スクリーニング検査を受けることができます。これから出産される場合はぜひ、検査を受けてください。

新生児聴覚スクリーニング検査で精密検査が必要と言われたら、小児の耳の検査が可能な耳鼻科を紹介してもらい、受診しましょう。

2.子どもの耳の検査は耳鼻科ならどこでもできるの?

年齢の小さなお子さんの場合は、検査ができる病院は限られます。まずは近くの耳鼻科に相談して、専門病院を紹介してもらうとよいでしょう。

当センターでは、眠っているお子さんの脳波を測定して、耳のきこえを評価するABRやASSRという検査を行います。また、お子さんが起きているときに音にどんな反応をするのかも確認します。

お子さんの年齢や発達の状態に合わせて、CORやピープショウテストなど、乳幼児のためのきこえの検査を実施しています(写真1、2)。

COR 検査装置
写真1 COR 検査装置
ピープショウテスト検査装置
写真 2 ピープショウテスト検査装置

3.難聴だとわかったら、どうしたらいいの?

片耳だけの難聴か両耳とも難聴か、またきこえの程度はどのくらいかを慎重に判断して、必要があれば補聴器を使っていくことになります。

また、お子さんを育てていくうえで必要なアドバイスをしながら、言葉の獲得や正しい発音が身につくように、トレーニングも行っています。

補聴器の効果が十分でない場合には、人工内耳の手術や手術後の器械の調整も、トレーニングと併行して行います(写真3)。

人工内耳
写真3 人工内耳

4.日本発の新しい補聴器

日本で開発し、実用化された新技術である軟骨伝導補聴器(なんこつでんどうほちょうき)の取り扱い施設として、2020年に認証・登録されました。片側難聴(片方の耳だけが聞こえにくい難聴)のお子さんへの適応も含め、対応を開始しています(写真4)。

軟骨伝導補聴器
写真4 軟骨伝導補聴器
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