視能訓練士は1971年に誕生した職種で、医師の指示のもとに、両方の眼を同時に使う機能(両眼視機能)に障害のある患者さんに対し、その視機能の回復のため、弱視や斜視の矯正・訓練の指導、および眼科にかかわるさまざまな検査を行っています。
この記事の内容
1.どんな検査を行うの?
眼科外来で、「表」のような、さまざまな眼の検査を行っています。
2.子どもの視力検査について
乳幼児視力検査には、テラーアキュイティカード(Teller Acuity Cards)法、絵視力検査、字ひとつ視力検査などがあります。
テラーアキュイティカード法
生後2か月頃から検査可能で、無地より縞模様を好んで見るという乳幼児の習性を利用した検査です。顔の正面にカードを出し、お子さんの眼の動きで、見ているかどうか判断します(写真1)。
絵視力検査
4種類の絵視標を用い、視標と同じ絵カードを選んでもらう方法や、言葉やジェスチャー表現できるお子さん(2歳頃から)には、絵を使った視力検査を行います(写真2)。
字ひとつ視力検査
一般的な視力検査で、輪の切れ目を答える方法です。お子さんの手で持てるサイズのプラスチック模型を使用し、切れ目を同じ向きに合わせることで、低年齢(3歳頃から)のお子さんでも検査可能です(写真3)。
3.眼鏡の必要性はどうやって検査・診断するの?
遠視・近視・乱視の度数を測定するために、屈折検査を行います。対象、目的に応じて、複数ある屈折計から機種を選択し、検査します。小児では他覚的屈折検査(オートレフラクトメータ)を参考にし、可能な場合は自覚的屈折検査(視力検査)も併用します(写真4)。
小児は調節力が強いため、潜伏している遠視(水晶体をふくらませることで正常な視力が得られる遠視)があることをふまえ、調節麻痺薬を使用して正確な屈折検査を行い、屈折度数と視力検査などで判断して、眼鏡の必要性を診断していきます。