気持ちに寄り添う医療をめざして「保育士、HPSの活動紹介」

チャイルドライフ担当

池田 祐子/保育士・HPS

保育士、ホスピタル・プレイ・スペシャリスト(HPS)は各病棟、外来で活動を実施し、子どもやご家族が安全、安心な医療を受けるための支援を行っています。ここでは、療養環境の専門家である保育士やHPSの活動をご紹介します。

この記事の内容

1.医療施設で働く保育士とは?

医療施設で働く保育士を、医療保育士といいます。医療保育士は入院、治療を受ける子どもの成長を見守り、生活や遊びの発達を保証する小児医療の一員です。

保育活動~病棟・外来~

病棟では、主に子どもが集う集団活動と一対一でかかわる個別活動、イベントコーディネートを実施しています(写真1、2)。遊びを通じて日常の姿を発揮できるよう、支援を行います。

集団活動
写真1 集団活動
七夕の飾りつけ
写真2 七夕の飾りつけ

外来では、折り紙コーナー、ピアノ演奏、診療科ごとのプレイコーナー、図書コーナー、水槽整備を行い、安全、安心して過ごせるよう療養環境整備を実施しています(写真3)。

アトリウムでのピアノ演奏
写真3 アトリウムでのピアノ演奏

2.ホスピタル・プレイ・スペシャリスト(HPS)とは?

HPSは、英国の国家資格です。国内では2007年度から静岡県立短期大学部で養成事業が始まり、現在はNPO法人ホスピタル・プレイ協会と連携し養成を行っています。

医療や福祉を受ける子どもやご家族と、遊びを通じてコミュニケーションや信頼関係を図り、遊びの活動と医療をつなげる専門職です。医療に対する恐怖や不安を軽減し、医療を前向きに捉えられるよう支援する小児医療の一員です。

HPSの活動

主に日常の遊び、プレパレーション、ディストラクションがあります。

日常の遊びをもとに子どもやご家族との信頼関係を築き、医療を肯定的にとらえられるよう、多職種と連携しながら支援を行っています。

プレパレーションとは?

手術や検査、治療を受ける子どもにそれらを事前に説明し、「心の準備」ができるようにすることをいいます。「心の準備」ができることで、主体的に医療を受ける気持ちを整えることができます。

ディストラクションとは?

治療や検査時に感じる痛みや不安、恐怖、ストレスから気持ちがそれるようにすることをいいます。それらの場面で遊びを取り入れてかかわることで、安心して治療を受けることができます。

「おぺらチャンツアー」とは?

手術前のプレパレーションとして行っています。パペットを手術を受けた経験者に見立て、手術の流れや必要な医療物品、手術着を紹介し、実際に身につける体験をします。手術室見学を行い、安心して手術の日を迎えられるように支援します(写真4)。

おぺらチャンツアー
写真4 おぺらチャンツアー
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